つれづれなる日々

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2008年4月の日々

桜(羊毛フェルト)


04/30/2008(水)

11時から稽古。台本がまた何ページか配られた。新作ってやっぱりわくわくする。

稽古後、またまた東大カフェへ。ケヤキがものすごく存在感を増していた。すごいな、新緑。

大島弓子の「四月怪談」「ローズティーセレモニー」「きゃべつちょうちょ」「桜時間」を読む。初めて読んだわけじゃないんだけど、気がついたら泣いていた。


04/29/2008(火)

新作稽古。事前に発表になっていた稽古予定とちがうシーンの稽古になって、あわてる。睡眠不足で頭も痛い。「笑って」と言われてつくった笑顔がひきつっているのが自分でわかる。昼夜逆転をなんとかしないとなー。

午後は渋谷で映画『妻の愛人に会う』を見る。パク・カンジョンさんは、なさけない人の役が本当にうまい。音楽が心に残った。

帰り、新作の小道具候補を少し探す。


04/28/2008(月)

思うところあって、『あしながおじさん』を読み返す。これ、転校する友だちに本をあげて、買いなおした覚えがある。小学生のときだ。中学生のとき、読書週間のポスターにもこの本の挿絵を真似した絵を描いた。つまり、そうとう気に入っていたということになると思う。で、読みなおしてどうだったか。20世紀初頭に発表された作品に関してネタバレって言い草もないだろうけれど、このさき『あしながおじさん』の内容に触れますので、知りたくない人は読まないでね。

最初に読んだときには、ラストであしながおじさんの正体を知って、驚いた。いま、だれがあしながおじさんなのかわかったうえで読むと、これで気づかないジュディってどうかしてるんじゃないかと思うくらいヒントが満載なのね。2人ともお金持ち。2人とも背が高い。2人ともロックウィロー農場に関係がある。2人とも社会事業に興味がある。なんか変だと思えよ、ジュディ。しかも、『ハムレット』勉強してるときにちょうど『ハムレット』の公演に誘ってくれるとか、夏休みにヨーロッパに行くことになったらちょうど自分も向こうに行く予定だと言ってくるとか、あしながおじさん宛てのジュディの手紙を読んでるからそんなふうにしてちょうどジュディの興味があることにぴったりあわせて誘ってくるわけで、ジュディは無邪気に、私たちは気があうとか、彼って私の読んだ本は全部読んでるとか言ってるけど、そんなのあたりまえじゃないか。というか、実はそういうからくりだったと気づいた後でも、ジュディは、ジャービスのことを以前と同じように尊敬し、慕うことができるんだろうか。他人事ながら、そこが心配だよ。一番ウソついちゃいけない相手にウソついていたわけでしょ? 昔読んだときはハッピーエンドにしか思えなかったんだけどなぁ。


04/27/2008(日)

渋谷に『妻の愛人に会う』を見にいこうか、春風舎で『おいでおいでぷす』をもう1回見ようか、どっちにしようかと迷うが、結局オイディプス。きょうは、名人の部屋に何の本が置いてあるとか、装置の仕掛けとか、細部に注目して見た。

そしてアゴラに『眠れない夜なんてない』の稽古に。追加分の台本が配布された。最初のほうのシーンの構成も少し変わったので、アタマから読み合わせ。


04/26/2008(土)

タイトル・ロールになったアメリカンショートヘアの猫を始めとする作者と猫たちとの生活を綴ったエッセイ漫画。
これは大島弓子の『グーグーだって猫である』についてのウィキペディアの記述だけど、「〜始めとする」が「作者」を修飾しているのか、「猫たち」を修飾しているのか。文法的な整合性を追求すれば前者だけれど、そうするとこのマンガの作者がネコなことになっちゃって、それは事実に反する。書いた人の主観としては当然後者なんだろうけれど、そうすると修飾語と被修飾語の間に入っちゃってる「作者と」の説明がつかない。そんなことを気にしながら上記の文をながめていたら、さらに「どうして『タイトル・ロール』にはナカグロが入って、『アメリカンショートヘア』はナカグロなしなの?」というところも気になってきた。title roleが「タイトル・ロール」ならばAmerican Shorthairは「アメリカン・ショートヘア」となりそうなもんだけど……。

こういう、細部が気になる自分の性格って、もてあましてもいるし、でも、ある程度気に入っていなくもない。気に入っているというか、だってきっと今後もかわらないし、よくも悪くも自分の特徴かな、と思ってる。

小道具の特殊工作は、無事終了。まぁ、使う人に見せてみないとあれだけど、けっこう本物っぽいのができたと思う。最初、プロセス写真を撮りながら作業しようと思ってたんだけど、2枚撮っただけであとは作業に没頭しちゃったので、最初と最後しか写真がない……。

また別の話ですが。もともと私は、「明かりを消して暗い中で、眠るまで横たわって静かにしている」のが嫌いで、寝転がって読書してるうちに電気もつけたまま力尽きて眠ってしまう、というのがまぁわりと理想に近いんだけど、1人暮らしじゃないからあまり連日そういうわけにもいかなくて、きのうきょうなんかは、もう眠くて起きてられないってとこまでTV見るかコンピュータの前にいるかしてから寝室に移動という作戦。けっこういつまででも起きてられちゃって困ってる。


04/25/2008(金)

きのう、きょうと、軽量粘土とアクリル絵の具を使って小道具の特殊工作をやっている。なかなかじょうずにできたんじゃないかしら、まだ仕上げが残ってるけれど。

こないだ、新タマネギと新ジャガでカレーをするとおいしいよ、と聞いて、きょうやってみた。そのほかの具として油揚げとブラウンマッシュルームも入れた。タマネギは、細く切りすぎたかな、どこに入ってるのかわからないみたいになっちゃった。新ジャガは、ねっとりとおいしかった。普段、カレーにジャガイモは入れないんだけど、こういうのもいいですね。


04/24/2008(木)

日本語教育の先生方から自然な会話教材が不足しているという話は聞いていたけれど、英語のこんな「会話」をネット上で見つけました。英語教育のほうも大変そうね。テストの穴うめ問題なので、ある程度しかたないとは思うけれどね。あ、穴うめ問題自体は、解いちゃってあります。

次のレストランでの会話を読み、空所( 1 )〜( 5 )に入れるのにもっとも適当な表現を,下のア〜クの中から選び、その記号をマークしなさい。(文頭にくるべき語の語頭も小文字で表記されています。)
Janet: I enjoy going out to lunch.
David: Me, too. It's good to eat out.
Janet: This restaurant is really a great place to take our time eating and relaxing during our
       lunch hour.
David: (Take off) you coat, Janet, and let me (hang it up). Where would you like to take a seat?
Janet: At a table near the window.
David: Good idea. Oh, here's the menu. Do we need to (look it over)? We come here so often that
       we almost (know it by heart).
Janet: You know what to order for me, David. You know, I really enjoy this restaurant. The
       service is good and the food is tasty.
David: Why don't we wait for our favorite waitress to (wait on) us? She's courteous, friendly,
       and takes great pains carrying out our orders.
Janet: Most definately, and after this delicious meal, we'll be ready to get back to work.
出典は、英語CPT 大妻女子大学短期大学部 家政科 家政専攻です。ジャネットが「このレストラン、ゆっくり食べれて落ち着けるから、昼休みに最高なの」なんて言ってるからデヴィッドを初めてこの店に連れてきたのかなと思うと、デヴィッドが「ボクたちこの店しょっちゅう来てるから、メニュー見なくてもそらで注文できちゃうよね」とか言ってて、ジャネットとデヴィッドとこの店の関係がなんだかよくわからない。全体的に台詞が説明的だと思うけど、特に、デヴィッドの「あぁ、ここにメニューがある」というのは、うまく演出しないとものすごい説明台詞に聞こえそうだ。あ、1つ解決策を思いついた。最初の3つの台詞を「カメラ目線」で、観客に直接話しかけるようにして、その後はジャネットとデヴィッドの会話、そして最後にまた、ジャネットの台詞のand以降をカメラ目線にするってすれば、「どうしてこの人にこの説明をしてるの?」という違和感はなくなりそうだ(「ここにメニューがある」問題はまだあるけれど)。


04/23/2008(水)

道端で、キュウリグサらしき小さな水色の花を発見し、一緒にいた友に、
「これ、キュウリグサじゃないかなぁ。茎を揉むとキュウリの匂いがするんだよ。こんなことすると自然保護の人とかに怒られるんだろうなぁ」
と1本折りとって、茎を指先で揉んで押しつぶすようにして匂いをかいでみたけれど、ぜんぜんキュウリの匂いがしなかった。一応写真に撮っておいて、あとでネットで検索したら、やっぱりキュウリグサでまちがいなかったみたい。どうして匂わなかったんだろう。

小学校のとき、担任の先生がときどき2時間続きで理科の時間ということにして、校外にクラスのみんなを連れていって、その辺の道とか田んぼとか(自然豊かな長野の小都市だったのでね)で草花の名前を教えてくれた。キュウリグサ、ヒメオドリコソウ、オオイヌノフグリ……そんな名前を教わったのを覚えてる。そんなことを思い出した。


04/22/2008(火)

午前中、『眠れない夜なんてない』稽古。新しく配布された部分の読み合わせ中心に。私は、いない人の代役でお手伝い。

午後、東急ハンズで小道具の特殊工作の材料探し。これは秋の、別の公演用。

夜、春風舎で『おいでおいでぷす』観劇。いままで見た岩井作品(といっても、そんなに見ていない。『無外流、津川吾郎』と『お願い放課後』と狂言のニセモノしか見てない)の中でいちばん好き。根底に流れるものはかわっていないんだと思うけど、その提示のしかたが、今回、私の受け入れやすい形だったということではないかと思う。


04/21/2008(月)

『Drama in Education ドラマ教育を探る12章』(中山夏織 シアタープランニングネットワーク)という冊子を読んだ。英国のドラマ・イン・エジュケーション(エデュケーションって書いてあったんだけど、私なんだかその表記が嫌いなんです)についてわかりやすく説明してあって、この分野の初心者である私にピッタリの内容だった。いままでこういう関係のワークショップを受けたりして、私は、「演劇的手法を教育に取り入れた場合、自分のことのように体験して学習するからすごくパワフルで、だからこそ充分なケアが必要なのではないか」ということをずっと思っていたんだけれど、この冊子にはそのことが以下のように明快に定義されていて、「よかった、やっぱりそうなんだ」と思ったことでした。

ドラマ教育は擬似的体験を基礎とするものであり、またその体験は、自分であって、自分でないという「距離」と「重なり合い」を提供します。自分と役が重なり合う部分をどのように考え、いかに扱うかにセラピーとドラマ教育の差異があります。ドラマ教育は、100%重なり合うような事態は絶対に避けるべきであると考え、重なり合わない自分が冷静な目で見つめることから学習を求めます。良心的な意図をもっていたとしても、精神医療や心理学の専門家でないかぎり、自分自身の感情と向き合うようなセラピー的なアプローチは教師個人としてどんなことがあってもとってはならないというのが、ドラマ教育の「現代的」スタンスです。(P. 4)
そして、いろいろと検索したりしてシアタープランニングネットワークのホームページにたどりついたんだけれど、掲載されていた過去のワークショップの記録()がたいへん勉強になった。


04/20/2008(日)

ハナミズキが咲いている。ハナミズキを見ると、ハナミズキの咲いている頃に入院していた、いまはもういない人のことを思い出して、ピンポイントできゅうっと一瞬悲しくなる。一瞬なんだけど。

11時から稽古。人がいなくて、稽古できるシーンが限られていて、15時過ぎに終了。で、また友と、東大のカフェへ。テラス席で、緑に囲まれていると、ホントに落ち着く。

夜は、ワークショップ研究会の会合に出席。去年のまとめと、今年これからどうしていくのかという話。


04/19/2008(土)

きのう、おとといとものすごく翻訳の仕事を進めたのと、きのうペニノを見たのと、夜いえでビールをたくさん飲んだのと、そんなところが原因だと思うけれども、きょうは電池が切れたようになっちゃって、何もしませんでした。あ、ゆうべBSで五反田団を見て夜更かししたせいも、きっとある。


04/18/2008(金)

庭劇団ペニノ『苛々する大人の絵本』を見にいった。よい評判を聞いていて、前売券完売だけどキャンセル待ちできるとのことでキャンセル待ちしてたんだけど、というかウェブからそういう申し込みをしたんだけどいつどうふに連絡がくるのかな?と思っていたら、お昼過ぎに電話がきて、きょうの6時半の回にキャンセルが出ました、どうなさいますか、と言われた。行きますと即答。

劇団アトリエは、古いマンションの3階。ひっそりと、知ってる人だけ知っているという感じでお客さんが集まってくる様子が、なんとなく1980年代にどこかのお蕎麦屋さんだったかの2階に旧真空艦を見にいったときに似ているなぁなどと思った。マンションの普通のドアを開けるといきなりしっかりした小劇場の客席になっていて驚いた。入口のところで偶然知ってる人と会ったんだけど、聞いてみたらこの人もキャンセル待ちで、ゆうべ連絡が来たと言っていた。

はじまると、最初は、いかにも「世界」や「ヨーロッパ」(「日本」ではなくて、という意味で)を志向したつくりに思えて、なんていうんだろう、意地でも面白いと思ってやるもんか、的な気持ちをいだかないでもなかったです(私が小さな人間だというだけのことですが)。でも俳優の声の音質やリズムがなんとも心地よく、特に同じ言葉のくりかえしのところが気持ちよくて、いつまでも聞いていたかった。これでもか!的な精巧な舞台装置も、眺めていて飽きなかった。ずーっとロングランでやっててもらってときどき見にきたい。マルセル・デュシャンの遺作をフィラデルフィア美術館で見たときと似た印象を持ったのは、たぶん、暗いところから、キラキラと明るい向こうをのぞいて見る感覚のせいだと思う。そういえば、フィラデルフィア美術館の展示室に入ってきて、奥にある納屋の扉(から中をのぞくという作品なのです)に気づいたんだか気づかなかったんだか、「なんだ。なんにもないや」という顔をしてそのまま出ていったお客さんのことなども思い出した。


04/17/2008(木)

ピーター・ユスチノフがポワロを演じてるのと、デビッド・スーシェがやってるのと、2種類のエルキュール・ポワロ物がいまケーブルTVでやっている。スーシェ(黒髪)で見慣れているので、最初ユスチノフ(白髪の巨漢)は違和感があったんだけど、豪華キャストだし(オリビア・ハッセーとか出てる)それなりに面白いね。

孤独に昼夜逆転中。3日間稽古が休みなので、ここでガッツリ翻訳の仕事を進めておきたい。


04/16/2008(水)

とある中学校の3年生の一行が、修学旅行でアゴラに見学に来た。きのうは劇団四季を見て、きょうはアゴラの見学、明日は東京ディズニーランドに行くそうだ。新作の稽古で志賀さんが来たら、キャーキャー言ってた。人気あるのね、パフェおやじ。

稽古は、私は、登場するところから、前回の稽古でやったとこのちょっと前まで。何をどれだけ言うとネタバレになるのかちょっとよくわからないので、まぁあんまりしゃべらないでおくけれど、意外にもいままであんまり組んだことのない人と、今回組んでいて、その辺りがやっていて大変面白いです。

稽古の後、友と3人で東大のカフェで2時間ほどだらだら話す。だらだらと、深い話など。ここって午後5時閉店だと思い込んでたんだけど、平日は9時までやってるのねぇ。また来よう。


04/15/2008(火)

きょうは稽古が休み。家で仕事。あと、ゆっくり寝る。あと、台詞の練習。首の回らないのがようやく治ってきた。

しばらく韓国語の勉強を中断していたので、今年はハングル検定準2級を受けようと思って、参考書を見に書店に行ってみた。試験の内容がかわったことは聞いていたけど、新内容対応の参考書を見てみると、3級もずいぶん難しくなっているように思った。いま3級受けたら受からないかもしれない。参考書は、ちょっときょうはどれにしたらいいか決められなくて、見ただけで帰ってきた。


04/14/2008(月)

稽古3日め。ちょっと台詞が変更になったり、動きや何かの指示が入ると、その台詞に行く前にすでにつっかかってしまう。等、あいかわらず、稽古はゆっくり進んでいる。このシーン、出てる人ほぼ全員40代。やはり年齢のせいなのか? でも、平田オリザ作品の台詞を覚えるのが久しぶり、というのもあるんじゃないかと思う。いつぶりだろう、という話を他のキャストとしたんだけど、私の場合、2003年の『ヤルタ会談』以来かな。

稽古終了後、すごく久しぶりにスタッフミーティングに出る。具体的に何かの公演のスタッフをやっているわけじゃないから、参加というより見学という感じ。出なくていいんだけど、青年団という団体が最近とても大規模になって、どんなプロジェクトが進行中でいまどんな段階なのかということが、俳優として自分の出演してる座組に関わっているだけだとよくわからなくなってきちゃったので、全体的なことを把握しておきたくて参加した。

さらにその後、秋の『東京ノート』ヨーロッパ公演関係のミーティング。


04/13/2008(日)

『眠れない夜なんてない』稽古2日め。家でも練習したし、自主稽古もしたし、もうだいたい台詞を覚えたと思ったけど、稽古になるとうまく台詞が出てこなかった。それにどうも私は、台詞の覚え方を忘れちゃってるみたいだ。台詞の覚え方というか、まずはどういうことを記憶し、それから何を覚えるか、という順番がよくわかんなくなっちゃってる。


04/12/2008(土)

新作『眠れない夜なんてない』稽古初日。まず、係りを決める。私は「メイク」と「照明」。台本は、最初の20ページを渡され、まず一度読み合わせ。休憩をはさんで、もう1度読む。今度は、すでにもう細かく演出が入り始めた。今日、明日、日本語教育の先生が研究のため稽古場に来ているので、稽古終了後、そのかたを誘って、遅い昼食。稽古場で、この後の展開がどうなるのかとか登場人物同士がお互い相手のことをどう思ってるのかというような説明が演出家からあったんだけど、そのことについて、
「ああいう説明を受けたあとで、役作りを変えるんですか?」
との質問を受ける。いやー、変えないですね、思ってることとおもてに出ることはちがいますし、と答える。こういうときポンとうまく答えられるようになりたい。というか、演劇というのは北島マヤちゃんみたいな天才だけじゃなく普通の人もやってるんです!とみんなに知ってもらいたい、といつも言ってる私としては、こういうとききちんと答えなくてどうするか、というところである。もっとがんばろう。

16時から、アトリエヘリコプターを借りて青年団全体ミーティング。年に1〜2回、こういうミーティングが開かれる。きょうは、アゴラでも春風舎でも公演している座組があって、全体ミーティングとしては小規模な感じ。といっても、一人一人意見を述べるから、やっぱりきょうも結構時間がかかった。6時間ちょっと。

朝から首・肩が尋常でなくこっていて、比喩じゃなく「首が回らない」。ゆっくりお風呂に入り、温湿布を貼って寝る。


04/11/2008(金)
春風舎に若手自主企画『御前会議』を見に行く。「休憩」のときに、外から戻ってくる人が無伴奏(伴奏というのかわからないけれど、音楽的な音、のない状態)でラップしてるところが面白かった。そこまで、何が会話を会話たらしめ何がラップをラップたらしめているのかの理解が自分の中であいまいだったということが、その瞬間にわかった。

帰宅して、仕事。夜、駅で夫と待ち合わせてご飯食べに行ったんだけど、駅に行ったらコンコースに飾られていた桜の木の撤去作業がちょうど始まったところで、植木職人(にちがいない)がするすると木に登り、パッチンパッチン枝を切り始めたのでビックリした。2月からここに飾られている4本の桜の木には、根っこの付いたままここに持ってきててディスプレイが終わればまた山に返すんだっていう説明パネルが付いていたので、「返す」ってのは「このまま返す」ということだと思っていた。あんなに枝を切り落としちゃうとは思ってなかった。そして、切らずに残った枝々には、針金でグルグルと装着したニセ桜花が付いたままだった。あれはいつかどこかでだれかがちゃんと外してやるんだろうか。どこの山からか知らないけれど、こんな街中に持ってこられ、日もよく当たらないところでニセ花を付けられたまま開花し、散って、また枝も根っこも梱包されて移動されて、元の山に帰って無事に根を張れるんだろうか。


04/10/2008(木)

朝、スーツケースを持って地下鉄の駅の階段をのぼっていたら、後から来たおばあさんが一緒に持ってくれようとするので、
「大丈夫です。ありがとうございます」
と言う。杖ついているようなおばあさんに荷物手伝ってもらうわけにいかないじゃありませんか。でもご親切にありがとうございました。

ほぼ予定通りに金浦空港着。自動チェックイン機で、えーっとと画面を見ていたら、隣の機械にいたビジネスマン風のおじさんが、
「eチケットなら、ここですよ」
とタッチパネルをタッチしてくれるけど、いや私はそれじゃなくて「ウェブチェックイン済み」選びたかったんだー。親切には感謝して、でも「いや、あの」とか言いながら、取り消して選択してパスポート読み取らせて、無事チケットを受け取る。

荷物を預け、少し時間があったので、フードコートでご飯を食べる。カンバンにソルロンタンと書いてあったんだけど、頼むと、「ない。カルビタンならある」と言われ、カルビタンを頼む。なかなかおいしい。で、フードコートを出たら、なんだかいきなり巨大シネコンのロビーみたいなところにいて、「金浦空港、どこに行った!?」と軽くパニック。いやいや落ち着け、絶対こっちから来たんだから。逆方向に出口はなかったんだから。と通路1本戻ってみたら、あったあった、空港。あーよかった。1人で何やってんだか……。

出国して、免税店見て、ほどなく機内へ。きょうは遅れず定時に離陸。コトンと眠る。目がさめるとちょうど飲み物のサービス中。リンゴジュースをもらい、サンドイッチを食べる。また寝る。起きたらもう着陸していた。羽田は雨。羽田空港はカレーの匂いだった。

バスのカウンターで聞くと、ちょうど5分後に出る直行バスがあり、乗り場に急ぐ。昼のバスは空いているのか、5人くらいしか並んでいない。私の後ろにならんだ年配の女性が、
「寒いわねー」
と言う。北海道から来たけど、東京のほうが寒い、北海道はこの冬本当に暖かかった、というようなことを立ち話で聞く。で、バスで自宅最寄り駅まで帰ってきたわけだけど、降りたところで先ほどのおばあさんが、係りの人に、
「南口って、どう行ったらいいんですか?」
と聞いている。
「私も南口に行くんで、一緒に行きましょう」
と言って、案内してあげた。普段あんまりそういうことをするほうじゃないんだけど、ソウルで友だちや見知らぬ人に親切にしてもらったすぐ後だったし、きょうは急ぐ用事もなかったし、あとたぶんその人の北海道弁が私の北海道の友を思い出させたというのもあるんだと思うけど、なんだかごく自然に声を掛けたきょうの私でした。


04/09/2008(水)

昨晩、明らかに飲みすぎ。12時頃ようやく起きて、夫と2人、ホテルの近所にご飯を食べに行く。夫がサムギョプサルが食べたいと言っていて、「サムギョプサル」と書いてある食堂に入ったんだけど、注文したら「いまはありません」と言われ、夫はヘジャンなんとか、私はソルロンタンを頼む。雨がぽつぽつ降り始める中、徒歩で大学路あたりまで散歩。スタバで休憩。2階がなんだか小奇麗に改装されていた。以前来たときはふぞろいな椅子やソファーがぽつんぽつんと置いてあってがらんと広い感じで、その雰囲気が好きだったんだけど、いまはパーティションなんかも導入されて、明るくて機能的でステキなカフェになっちゃってて、ちょっと残念だった。相変わらず居心地はいいので、また来るとは思うけど。

帰国する夫と別れ、待ち合わせた友とご飯。カムジャタン(大好物)を食べに連れて行ってもらう。その後、翻訳の質問に答えたりしてから、『ロミオとジュリエット』最終公演を見る。きのうのうちにチケットをお願いしておいたので入れたけれど、当日券はキャンセル待ち30人だって。すごいなぁ。きのうの公演もすばらしかったけど、きょうはさらに、カチッ、カチッとすべてのパーツが完璧に最高の位置にはまっていっているにちがいないと思わせる、緊張感のあるよい舞台だった。特に、後半の疾走感が私は大好きだった。

打ち上げにも参加させてもらい、2次会で2時まで飲んで、まだまだ飲んでる皆さんとお別れして、店を出たところで、
「あれ? 帰るの、どっちに行けばいいんだっけ?」
と言ったら(これは日本語)、
「きのうも同じ道を帰ったでしょ? 覚えてないんですか?」
と言われる。うん、全然覚えてないんだよ、ゆうべはホントに飲みすぎたね。見送ってくれてる友に手を振るたびにタクシーが止まりそうになった。多田くんが単身ソウルに1カ月以上滞在して韓国の俳優やスタッフと一緒につくったロミジュリの世界がこんなにもすばらしかったことに感動して泣きそうになりながら、徒歩でホテルに帰る。


04/08/2008(火)

雨の早朝、電車を乗り継ぎ、羽田空港へ。バスより安いし早いと思って、今回電車にしてみたんだけど(荷物少ないし)、6時半ってずいぶん早いと思ったのにばっちり通勤時間帯なんだね。ぎゅうぎゅうで大変だった。次からはバスにしよう。予定通り搭乗時刻の60分前までにチェックインを済ませる。

ところが天候不良のため、機内に案内されたのが出発時間過ぎくらいで、結局そのまま機内で2時間待たされ、11:35金浦空港着の予定が、着いたら13:30だった。仁川空港はなんの匂いもしないけど、金浦はキムチの匂いがした。窓口でTmoney(ICカード)を買おうとして相手が何を言ってるのか皆目判らず。夫が通訳してくれて、無事カードを買って、2000ウォン分チャージしてもらえた。

ソウルは暖かい晴天。ホテルに荷物を置き、アルコ芸術小劇場で、16時開演の『ロミオとジュリエット』を見る。受付で、
「多田さんに予約お願いしました」
「お名前は?」
「イワキか、マツダか、マチコ…」
「マツダヒロコ?」
「はい」
「1万ウォンです」
やった!今度は韓国語で話せたぞ!

場内に入ると、対面式の客席の中央に、赤い舞台。前から2列目に座る。私が2月に出演した『ロミオとジュリエット』は1幕、2幕、3〜5幕を別々の演出家が担当した公演で、こんな動きもある、こんな音もある、というカラフルでバラエティに富んだ作品だったけれど、きょうの公演は(当たり前だけど)全編多田色。多田淳之介が現時点でやりたいことをめいっぱいやっている。俳優はその意向に完全に寄り添ったうえで、さらに自分をガンガンに出している。美しかった。

友と待ち合わせて、近くの小奇麗な韓国料理店に連れていってもらう。魚介入りのからくないスンドゥブがあるというので、それを注文。美味しかった。そして、夜は情報小劇場で劇団パークの『ソウルノート』観劇。2006年秋の公演も見てるんだけど、今回さらにバージョンアップしている感じがした。2005年の合同公演のときと2006年秋の公演のときに弁護士の役をやっていたイム・ユヨンさんが次男の嫁役で今回出演していて、前回と雰囲気がもう全然がらっとちがっていて驚いた。俳優として当然といえば当然なんだけど、すごいなーと感心しました。由美・好恵(ソウルバージョンでは韓国人の役だからこういう名前じゃないんだけど)の2人のバランス、関係性が、とてもよかった。それ以外の登場人物も、いろんな人がいて、その多様さが作品の世界によくあっていたと思う。今回、公開オーディションで450名の中から18人の出演者を選んだそうで、そのことがよい方向に作用していたと思う。

終演後、『ソウルノート』の方々と飲む。JSA(店の名前)のおばさん、私のことを覚えていてくれた。ダブルキャストできょうは出演していなかったチェ・ヨンミンさんや、演出のパク・カンジョンさんも来てくださって、いろいろな話ができて本当に嬉しかった。その後『ロミオとジュリエット』の飲み会に合流して、結局3時まで飲み、徒歩でホテルに帰った。


04/07/2008(月)
注意:M.C. Beaton作「Death of a Maid」の内容に触れています。

あとちょっとどころではなかった。連続殺人犯がつかまって一件落着、の後も、ヘイミッシュが2度も命を狙われたり、エルスペスが結婚しそうになったり、まだまだいろいろありました。

「スピンドル作品」という言葉、どこで見たんだっけ。スピンドルったら、眠り姫が指を刺して眠りにおちる機(はた)の錘(つむ)ですよ、錘。「DS9はスタートレックのスピンドル作品です」みたいに書いてあったんだけど、それスピンドルじゃなくてスピンオフよね? 検索したら、けっこうスピンドル作品って書いてる人いるのね。


04/06/2008(日)

Death of a Maid、ほぼ読了。あともうちょっと。ジミー・アンダーソン、すっかりヘイミッシュとコンビで活躍してる。最初はただのブレアの「部下1」みたいだったのにな。「部下2」のほうはそういえばもうぜんぜん出てこなくなっちゃったね。マクダフって名前だったっけ?


04/05/2008(土)

10:27発の電車に乗るので10:15には家を出るつもりだったのに、目がさめたら10時ジャストだった。目覚ましとめて二度寝したらしい。きのうは一日家にこもっていてお風呂に入らなかったからぜひともシャワーはあびなきゃ、持ってく食べ物きのうのうちに用意しておいてヨカッタ!、何着ていこう?、屋外で過ごすんだから日焼け防止のため化粧は必須だけど時間ない〜と大慌て。10:20過ぎに家を出て、予定の電車にはギリギリ間に合わなかったけど、すぐ後にロマンスカーがあって、それに乗ったら待ち合わせ時間に遅れずに行けることがわかり、特急料金400円払ってロマンスカーで行く。車内で化粧もできてちょうどよかった。

中央線が遅れていて、結局待ち合わせに10分近く遅れてしまったんだけれど、三鷹駅で無事みんなと合流できて、バスでICUへ。三鷹駅前もICU近辺も、しばらく来ないうちにだいぶかわったね。

きょうは、学生のとき女子寮で一緒だった人たちとのお花見でした。大人5人と、小4、小3、年長さん。桜は、もう満開を少し過ぎていて、常にはらはらと、人の上にも食べ物の上にも散り続けていた。先週がピークだったようで、予想してたほどは花見客がいなかった。近くのグループの人がワインのコルク抜きを借りに来て、
「卒業生のかたですか? あぁ第二女子寮ですかー。私は第四だったんです。第二ってちょっとワイルドなイメージというか、『男がほしい』って踊りがありましたよね」
と言う。実は私たちのグループの中に「男がほしい」踊りの創始者がいたので、あれはこの人が始めたんですよと言うと、元第四女子寮のその人は、すごくビックリしていた。


04/04/2008(金)

アマゾンに注文していたDeath of a Maidが届いた。冒頭部に「これすでに読んだことある!」感があったが、たぶん1つ前の巻(これは20冊以上あるシリーズもの)のお尻に予告編的に付いてたのを読んだんだと思う。か、アマゾンの「なか見!検索」だな。どうする?本格的に読み始めちゃおうか? 読み始めると読み終わるまで読み続けちゃうからなぁ。

きのう書いた原稿にさらに手を入れ、提出。

明日、大学の女子寮で一緒だった人たちとお花見なので、お菓子とかサラダとか用意してみた。天気がいいといいな。


04/03/2008(木)

石井桃子さんがなくなったというのをニュースで知った。101歳とのこと。子供の頃、読む本読む本みんな「やく・いしいももこ」だったなぁ。

夕飯にカレーとコールスローをつくりました。春のキャベツが柔らかくて美味しかった。

スタートレックの映画『叛乱』を久しぶりに見た。説明台詞を説明台詞と感じさせない導入部等の脚本のうまさ、外交的ディナーパーティでガラスドアが開くのと同時に外交的な作り笑顔に変わるパトリック・スチュワート等の演技の確かさ――そういうところは以前からすばらしいと思っていたんだけれど、今回特に私の興味をひいたのは、少年アーティム役の俳優がうまいなぁということ。マイケル・ウェルチという人でした。

頼まれていた原稿(2種)を、やっと書いた。


04/02/2008(水)

アゴラ劇場の仕事で、本多劇場にチラシ折込に行く。しゃがみこんでやると腰に負担がくるので、ロビーのテーブルを借りて立って折り込んだけど、でもそんなことしてるのは私1人で他の人たちはみんな床にしゃがんで作業していた。若い人は体力も回復力もあるから平気なんだろか。

そして、桜や菜の花を見ながら歩く。アセビも咲いていた。もう桜吹雪だね。土曜日、お花見に誘われてるんだけど、まだ花あるかね?


04/01/2008(火)

このところお金がなくて主に自炊していたんだけど、きのう夫が帰ってきて、きょうは2人で2回も外食して、祭りのようだった。

いま多田くんが演劇の公演の演出のためにソウルに行っていて、来週その公演がある。同じ時期、劇団パークの『ソウルノート』も公演中という。で、見に行きたいけどいつどうやって行ったらいいかとかなかなか決められなかったんだけれど、きょうになっていろいろなことがはっきりして、多田くんの『ロミオとジュリエット』とバークの『ソウルノート』を両方見に行く予定が立ったので、来週ちょっとソウルに行ってきます。


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