つれづれなる日々

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2013年12月の日々


12/31/2013(火)

週刊モーニングに月1回掲載されているマンガ「きのう何食べた?」に出ていたレシピで黒豆を煮た。8時間煮ると書いてあるけれど、2時間くらいで充分柔らかくなる。豆が煮汁から出ないよう必要ならさし水を、とも書いてあるけれど、逆になかなか煮つまらないので最後はふたを取って水分を蒸発させた。なべの密閉性がレシピの想定と違うのか? いずれにせよ、つやつやふっくらに煮あがりました。

「きのう何食べた?」のシロさんの料理は、簡単なのはいいけれどめんつゆやらホットケーキミックスやら使った簡単さだったりするのであまり私は作ってみたいと思わないことが多い(純粋にマンガの内容が好きで読んでいます)んだけど、この回の黒豆煮と小豆煮はなかなかよかった。

黒豆の煮方のほうは後で比べてみたら以前から使っているオレンジページのレシピとほぼ同じだったので、小豆の煮方だけここに書いておく。

  1. 小豆250gを鍋に入れ、変色した豆を取り除く
  2. ざっと洗い、たっぷりかぶるくらいの水を入れて強火にかける
  3. 沸騰したらざるにあげ、ゆで汁を捨てる
  4. 鍋に戻し、たっぷりの水を入れて強火にかける
  5. 沸騰したらざるにあげ、ゆで汁を捨てる
  6. 鍋に戻し、たっぷりの水を入れて強火にかける
  7. 沸騰したら弱火にして1時間くらい煮る
  8. 指で簡単につぶせるくらいやわらかくなったら、ざるにあげて水気を切る
  9. 鍋に戻し、水250ml、砂糖180g、塩小さじ1を入れて火にかける
  10. 沸騰したら火を弱め、10分ほど煮る
(よしながふみ作「きのう何食べた?」第69話より)

夜は、恒例の、家族飲み会。


12/30/2013(月)

いくつか用事があり、最寄のJR駅まで行く。徒歩片道30分。途中の郵便局でお金をおろす。通販の代金支払をしようと思っていたのに振込用紙を持ってくるのを忘れた。

駅で、年始に帰省する列車の切符を受け取る。新宿からJRで大宮まで行って新幹線に乗るんだけど、乗車券を大宮から買うか東京都区内から買うか、悩む。新宿-大宮間を別に買ったほうがちょっと安いんだけど、大宮で新幹線ホームに直で行けない(いったん駅の改札の外に出ないといけない)。うんうん考えて、3度券売機に並びなおして、えいやっと今回は東京都区内から買ってみた。スパッと決められるときもあるんだけど、こういうふうに迷ってしまうときもある。こういうときは気分で決めるしかない。I make a decision and live with the consequences.だ(「バーン・ノーティス」第6シーズン最終話でのマデリン・ウェスティンの台詞のもじりです)。

最近、編み物が面白くてやめられない。町田のオカダヤで毛糸を見ようと思ったら、シャッターがおりている! 年末年始に休業する店があるのはわかってたはずなんだけど、オカダヤはあいてると思い込んでいた。いますぐ編みたいものがあるんだが……。

夜、TVで「Perfumeとテクノロジー」という番組を興味深く見る。さまざまなテクノロジーを取り入れていることについて、自分がそれにどうあわせるか(「どうやってあてにいくか」というような言葉を使っていたと思う)がすごく面白い、みたいなことを言っているのを聞いて、アンドロイド演劇に対する私の態度と共通するなぁと勝手に仲間意識を持つ。


12/29/2013(日)

久しぶりにGAGAのクラスに行く。年末年始ですいてるかと思ったらそうでもなかった。一時間動いて気持ちよく疲労。

夜は、夫の会社の忘年会にちょっと顔を出してきました。


12/28/2013(土)

夜、春風舎にて、大池容子作・演出「MOTHER II」観劇。「うさぎストライプの大池容子が、『隣にいても一人』をモチーフにして、約一年振りに「静かな演劇」に挑みます。 」という作品。「隣にいても一人」はとてもよく知っている作品なので、その何をどう残したのかという匙加減を存分に楽しんでしまいました。面白かった。大池さんの作品をちゃんと見るの、はじめてだったかもしれない。


12/27/2013(金)

編み物づいている。こないだ自己流で多色使いのマフラーを編んだときには、色の変え方も知らなかったけれど、今は、色を変えても境目に大穴があかない編み方をマスターしました。図書館ありがとう! しかしまだまだ新参者なので、編み物の本に書いてある説明がなんのことやら理解できないことも多い。試行錯誤を繰り返しています。


1226//2013(木)
注意:山岸 凉子「テレプシコーラ」第1部のネタバレがあります。

夫が注文した「テレプシコーラ」第1部全10巻(以前友だちから借りて読んではいる)が宅配便で届き、六花ちゃんがクララの代役でそりに乗るとこだけ確認しようと思ったんだけど読み出したら止まらなくなり、4巻→10巻、1巻→3巻の順で全部読んでしまった。千花ちゃんがお母さんからも六花ちゃんからもこんなに追い詰められているということ、前に読んだときには気づかなかった。空美ちゃんが児童ポルノの撮影の後嘔吐していたのも見逃していたと思う。いろんな人のつらい思いを、見逃していたと思う。主人公六花ちゃんのストーリーを追いたくて気がせいていたんでしょう。

「テレプシコーラ」第1部は、こんなに悲しい話だったのね。


12/25/2013(水)

赤坂ACTシアターにKバレエカンパニーの「くるみ割り人形」を見に行く。夫が照明スタッフで現場に入っていて、見たいと言ったらチケットを買ってくれた。

豪華な家と訪問客たち、一瞬にして家の外から部屋の中にかわる転換、夜の窓から差し込む光など、夢のように美しい。と同時に、踊る邪魔にならないような物の受け渡しなど、夢を支えている部分も垣間見えて楽しかった。特にドロッセルマイヤーさんは、玄関口でクララのお母さんと話していて舞台が室内に変わる瞬間にお母さんのショールをパッと回収したり、くるみ割り人形が元の姿に戻るタイミングで銀色のキラキラを片手で撒いたり、地道にいろいろしていて興味深かった(変な観客ですみません!)。1幕の最後まで、どんどんストーリーが展開していくのがすごく面白かった。

それで2幕はずいぶん期待していたら、がらりと様子が違い、踊り手が登場して、1曲踊って、お辞儀して拍手を受けて、という繰り返しなので、クララの物語を息をひそめて見ていたはずなのに気がついたらダンス公演の客席に座ってました、みたいなちぐはぐな気分になった。踊り自体はステキで、ロシアの踊りなんかすごく好きだったけれど、1幕と2幕の統一感がないのが釈然としない。「ため」のないテンポ良い1幕と、登退場と拍手でリズムが停滞する2幕、というふうに見えてしまった。私が演劇的な見方をしすぎてるんだろうか。


12/24/2013(火)

クリスマス・イブですが特にかわったこともなく。


12/23/2013(月)

学校での次の課題のドキュメンタリー短編映画を、やっと今日見る。サリー・マンという写真家の話。先日友だちから、サリー・マンという人は自分の子供を被写体として、虐待といわれるような写真を撮った人らしいよ(ネットで調べてくれた)と聞いて、なんとなくのばしのばしにしていて今日になった。暗くて悲惨な話だったらいやだなと尻込みしていたわけだけど、見てみたらぜんぜんそういう感じではなく、でも刺激的で興味深い話で、こんなことならもっと早く見ればよかった。


12/22/2013(日)

シューレ大学演劇プロジェクトなんあり企画公演(「ソクラテスの弁明」と「はいいろの光の中」の2本立て)を見て、終演後のトークにゲストとして参加。

編み込みの靴下、レッグウォーマーなど編みたくて、毛糸と棒針を購入。単価が低い(千円以下)ので油断してしまうけれど、編み物って結構お金かかりますね。


12/21/2013(土)

図書館で「ここに地終わり海始まる」下巻を借りてきて、一気に読んだ。小説自体も面白かったし、オススメしてくれた人に来月会って感想を伝えることを考えると、それもなんだかうきうきと楽しい。


12/20/2013(金)

雨の中、国立在住の友だちに、なかしましほさんのフードムードに連れて行ってもらい、菜種油を購入。近所のお菓子屋さんやファーマーズマーケットなども見てまわったあと、老舗喫茶店でなつかしい人を交えてランチ。

国立の街を歩くなんて、大学生のとき以来じゃないだろか。


12/19/2013(木)

SPAC「忠臣蔵」を見に静岡へ。自宅から最寄り駅に着いたところで、携帯電話を忘れたことに気づく。今から引き返しては間に合わないので、きょうは携帯なしで行くことにする。小田急線とJRで、3時間弱の旅。春に通いなれたルートなので、特に心配はなし。行き帰りの電車の中で、宮本輝「ここに地終わり海始まる」上巻を読み終わった。これは、先日の山下残さんのワークショップで参加者の1人がオススメしていた本。早く下巻も読みたい。

「忠臣蔵」は、平田オリザ作、宮城聰演出。まっすぐ客席を向いてしゃべる様子がフランス演劇のようだった(そんなにフランス演劇を見ているわけではないですが、勝手なイメージとして)。きわめて日常的な現代口語演劇の台詞を、必ずしも現代口語的には話さない俳優陣。でも言葉の意味がすっすっと入ってくる。不思議で独特な世界。

中高生鑑賞事業の公演だったので、上演後にスタッフの話や衣裳早替えの実演などがあり、盛りだくさんだった。開演前に階下のロビーで生徒たちを集めて注意事項など伝達していたときに、劇場の人なのか学校の人なのかわからなかったけれど、こういうことを言っていた――公演を見ていておかしかったら笑っていいし泣きたくなったら泣いていい。でも隣の人とのおしゃべりは他の人の迷惑になるのでダメ。その通りだと思う。開演直前の劇場内でSPACの制作の人も同じことを言っていた。ほんと、その通りだと思う。


12/18/2013(水)

午後、事務のバイト。3人募集のところ2名しか集まらなかったとのことで、作業量が多く時間までに終わらず。私は明日はもう予定があって来れないので、帰りに「よいお年を」と挨拶。

夜は、柴幸男さんの無隣館WSに参加。昨日今日の2日間の戯曲ワークショップなんだけど、お願いして今日だけ参加させてもらった。私が翻訳した「子どものための劇作レッスン」を使ったワークもあって、照れくさかったり嬉しかったり。


12/17/2013(火)

友だちとランチ。代々木八幡から渋谷に向かう道沿い(最近、学校の行き帰りによく通る)におしゃれな飲食店が多いので、その界隈で。初めて入ったお店のランチで、友だちは生パスタ、私はラムひき肉カレー。半年ぶりのおしゃべり。

そして夜は学校。吹替の勉強は今日で終わりで、次回からは別の先生から字幕翻訳を教えてもらう。字幕原稿の書き方が、昨年基礎科で教わったのと少し違うようだ(使用するソフトの違い?)。

講座が終わって教室を出ると、隣の試写室で「ほとりの朔子」マスコミ試写がちょうど終わったところで、これから深田監督と出演者大竹くんのトークというタイミングだったので、それだけ聞かせてもらう。監督の、台詞は「関係性で書く、名台詞を書かない、本音を言わせない」、「言葉で説明できることは言葉で説明してしまえば良い」という脚本術になるほどと思い、演出や演技に対する二人の言葉を聞いて、この信頼関係がこのすばらしい映画をつくったんだと思い。良いトークでした。


12/16/2013(月)

チェルフィッチュ「地面と床」を見にKAATへ。横浜通い4日めね。

音がとても印象的だった。そして、出演者がピンマイクを付けていることがこんなに気にならない舞台作品は私は初めてだった。ミュージカルでも気になるのにね。この劇場で、この音量で、このしゃべり方でやるなら、ピンマイクが必要、だから付けてる、ということにものすごく納得がいったんだど思う

いままで見てきたチェルフィッチュの作品の中で一番好きだった。いままで見てきたチェルフィッチュの作品というと、順不同で「三月の5日間」、「ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶」、「ゾウガメのソニックライフ」、「目的地」、「現在地」、「わたしたちは無傷な別人であるのか?」かな。「家電のように解り合えない」はチェルフィッチュではないんだっけ?

終演後友だちとお茶しようとして入った店で、やはり観劇していた別の友だちに出くわし、ご一緒させてもらった。


12/15/2013(日)

「クローディアの秘密」でフランクワイラーさんのファイルキャビネットの前でクローディアが、実際に行動する前にプランを立てることが大事、と言っていた。それに習って、きょうの「展覧会」をどうするか、方針が立つまでは行動を起こさないことに決めていた。だからゆうべ、パステルで絵を描くとか、文章をプリントアウトするとか、おじさんとの会話を台本に起こして録音するとか、ふわふわとしたアイデアがいくつも浮かんでは消えていったけれど、動かなかった。

今朝になって、見かけた文字(看板など)と人の言葉をクレパスで「お絵かき帳」の紙に書いて、それを床に置くか壁に貼るかして展示しよう、と考えがまとまり、メモをもとにして、バスから見えた看板の文字や港の船の名前、公園にあった注意書きなど、1枚に1つずつ書いていった。小さな絵なら入れられそうと思い、あの人の手袋やこの人の帽子の絵も描く(がっつりクレパスで描くと1枚描くのに数時間はかかってしまうので、白みの多いざざっと描いた絵)。きのうは発表しなかった、どんぐり拾いのおじさんの言葉や、バスでの会話も、書いた。公園で出会ったおじさんの話は、きのうは私とおじさんの会話として発表したんだけど、おじさんの1人語りに書いて、最後に話が終わるとこだけ他人が介入している形にした。これは21枚分になった。一応予備の紙、クレパス、色サインペン、虫ピン、セロテープを持って、出発。

歩いているうち、色とりどりのクレパスで字を書いたといってもちょっと色彩に欠ける気がして、途中バスをおりて歩いた埠頭や公園の色合いを色紙であらわしたらいいんじゃないかと思いつき、途中の百均で折り紙を購入。そうだ、きのう帰り道で見かけたマッサージ屋さんの看板もまぜて展示したい、とふと思い、デジカメに撮る。そして急な坂スタジオについて、マッサージ屋さんの看板の文字を書き、あと展覧会らしく「順路→」という紙も作って、よしこれで準備できた。

きょうのワークショップは、1人1人のプレゼンの鑑賞。みんな部屋の外に出て待っている間に、準備して、用意ができたら入ってもらうという形。

他の人の準備を待つ間にまだいろいろと自分の準備をしている人もいたけれど、私は後は展示するだけなので、気楽におしゃべりなどして待つ。他の人からオススメの映画を教えてもらったり、あら私もアーキの森川クラス行ってましたよという人がいることがわかったり。

で私の番になったら、バスの旅の最初から終わりまでの順番に、言葉や絵の紙を並べて壁に展示し、埠頭や公園の色彩の色紙は床に広げ、お客様を招き入れる。ドアは開け放しておき、
「順路はありますが、抜かしたり戻ったりして見てもらってもかまいません。もう充分見た、と思ったら、外に出てください。私はここにいますので、何か質問があれば聞いてください。また、もっと展示を面白く見るヒントも、聞いてもらったら教えます」
みたいなことを言って、あとは自由に見てもらった。見終わって出て行く人がいなかったので、しばらくして、
「実はこの中に1つ、きのう横浜で拾ったのではない言葉が入っています。どれでしょう?」
と言ってみた。「おやつ持って行こうと思ってたのに忘れてた」、「AEON」、 帽子の絵、「ご飯ですよ お酒もね」などいろんな人がいろんなのを挙げたけど、正解は出なかった。答えは、「漢方マッサージ 順天 男女OK 性的なマッサージしない」。町田駅の近くにあったものです。

感想は、みんなのプレゼンが終わったあとでみんなで話そう、ということだったんだけど、プレゼンだけで30分くらいも時間オーバーしてしまい、この後みんなで食事に行って話しましょうということになった。まっすぐ帰るという人たちには、急いでそれぞれ感想を伝えた。

私のプレゼンについては、部屋に入った途端にクレヨンと紙の匂いがした、ということを複数の人に言われた。私は朝2時間か3時間かけてクレパスで文字を書き続けていたので気づかなかった。一番カラフルだった、と言った人もいて、それも意外な感じがした。他の人とちがって、写真や動画などの画像のない作品だったからね。いろいろほめてもらって嬉しかったです。

このワークショップ、この後1月に3日間続きがある。1月どんな展開になるかも、みんなとの再会も、とても楽しみ。

象の鼻テラスでの柴くんたちのイベントが今日までだった。残さんのワークショップ期間に寄れたらいいなと思っていたんだけど、思いのほかワークショップで手一杯になってしまって(それは楽しかったし、そのくらい全力投球したかったし、後悔はしてない)行けなかった。


12/14/2013(土)

14時集合。バスで出掛けるにあたっての指示は、「バスに乗っている間、景色を観察する」、「最初にバスをおりたら、このグループの人たちを観察する。物を拾うのもあり」、「またバスに乗ったら、景色を観察する。こういうことがあったら面白い、という妄想もあり」、「次にバスをおりたら、そこにいる人々を観察し、できれば映像などにおさめてほしい。声をかけて、できればインタビューに持っていけたらいい。物を拾うのは、ここでもあり」。そんなふうにして観察した横浜の街を、あとでプレゼンする、という流れ。

マイクロバスと聞いていたけど、28人乗りのきれいなバスだった。きのうはじめて会った人たちがほとんどだし、きょうも横浜を観察してプレゼンするという目的のあるバスの旅で、ワイワイ楽しい遠足とはちがうので、なんとなくぎごちない雰囲気のまま、みんなバラバラに座って出発。写真とる人々のシャッター音がシャキシャキシャキシャキ車内に響く。私といえば、携帯のカメラを構えてみたり、いややっぱり紙とペンだとメモ帳を広げてみたり、どっちも中途半端になりそうな不安を抱えて、でも方針を決められず、ちょいと写真をとったり、ちょいとスケッチしたりメモをとったり。

で予定を30分ほどオーバーして戻り、それぞれ発表。画像や動画を見せる人がやっぱり多かったけど、何を見たのか、何を切り取ってきたのかは、人によってやっぱりずいぶん違っていた。たとえば、最初にバスをおりた埠頭のあたりで、ゴミがたくさん捨てられていたということを言った人が何人もいたけど、私はぜんぜん気づかなかった。私は、2番めにバスをおりた本牧山頂公園で人々と交わした会話のことを話した。メインは、小型犬の散歩をしていたおじさん。

明日は、きょう記録したことから発展させて「展覧会」としてみんなに見せる。きょう展示っぽかった人はパフォーマンスにしてもいいし、パフォーマンスっぽかった人はまた違う形にしてもいいですね、と残さん。私はきょうは語りだったから、あしたは壁に貼って展示するみたいなことをやりたいな、と漠然と考える。


12/13/2013(金)

池内WS最終日。最後延びるだろうなと思ったとおり、時間が過ぎても質疑が続いていた(私も質問した)ので、すみませんがもう出ないといけませんと断って、ギリギリだったので着替えもしないで、一足先に失礼する。

で、急な坂スタジオへ。今日から3日間、山下残さんの「ツアー形式のワークショップ」なんです。

指定された部屋に行ってみると、ほぼ中央に長机が会議するときのようにロの字に並べられていて、あぁやっぱりジャージに着替えるようなワークショップではないのねと思う。参加者に1人知った顔があり、気持ちが楽になる。この5日間、名前もどういうことをしている人なのかもわからない人たちと毎日6時間一緒にいたのがストレスだったらしいことが、今わかる。

なぜこのようなワークショップをしようと思ったのかということをまず残さんが話した。話しながら残さんは、見る間に汗をかいていって、ぽたっと机に落ちるくらいだった。

次に、この建物の中をリサーチして、「心のシャッターを切って言葉を収集してきてください」と言われ、皆思い思いに部屋を出て行った。戻ってきて、10個〜30個くらい選んで発表してください」と言われ、1人1人発表した。その発表が、もうなんというか、人によりぜんぜん違っていてビックリぎょうてんした。同じ指示でなぜこんなに違う結果になるのか。「歌劇大事典/スノードーム/ソファーセット……」のように名詞句を並べる人、「階段を13段のぼると踊り場」のように文章な人、そもそも部屋から出て行かなかった人など。これは面白いことになりそうだ、というのと、この人たち(自分も含め)と一緒にやるのメンドクサイかも、というのと、両方の感想を持った。

続いて、自己紹介を兼ねて、各自が持ってきていた「好きな本」を紹介し一部朗読する、ということをやった。それをしながら人々を観察し、自分が観察の対象になっていることを意識した動きなども入れてみてください、とも言われる。この人はどんな人なんだろうというのが、さっきの発表と今度の発表、そしてそもそもなんという本を持ってきたのかということなどから、少しずつわかってくる感じが面白い。

続いては、その観察したことを元にして、だれに(キャスティング)何をしてもらいたいか指示する(演出)。これは時間がなくて3人しか発表できなかった。

明日は貸し切りバスで出掛けるという。今日は言葉(文字)で記録をとったけれど、明日は静止画や映像なども使って横浜を記録してみてほしいとのこと。うーん、デジカメないし、携帯のデータ容量あんまり残ってないし、どうしたもんだろう。


12/12/2013(木)

池内WS4日め。台詞をどう分析的に読むかという具体的な方法をいくつもこのワークショップでは教えてもらった。俳優として自分が使える道具が増えて、それは本当に感謝してる。その上で、でも、なんだかときどきもやもやするのは、やりたい演劇が、池内さんと私で違うっていうことなのかもしれないなと思う。目指している演劇や想定している演劇が、どうも違うような気がする。まぁでも、私がやりたい演劇をやるために池内さんの方法を使う、というようなことは可能なわけだし、このワークショップを体験したことで私の演劇感が変わるってことだってあるかもしれないんだし、だから違ってても別に良いとは思う。


12/11/2013(水)

池内WS、3日め。声のことについては毎日たいへん勉強になり喜んでいるけれど、台本とか台詞のことになると、ときどき私はうまく受け止められない。今日は、各自選んできた長い台詞について「この登場人物がどんな人なのかを考える」というエクササイズとして、その人がどんな家のどんな部屋に住んでいるか、どんな一日を過ごしているのかを思い描く、というのをやったのだけど、「長い台詞」というだけで1つ選んできた私は、その戯曲全体を読んでもいないのでほぼお手上げ状態になってしまった。よくよくお話をうかがってみれば、基本はあくまで台本であり台本をよく理解するための1つの方法、ということなので、お手上げ状態になって当然なんだけれど、エクササイズをしているときは、「ひょっとして、戯曲と関係なく想像することを求められているのか??」と不安な気持ちになったりもした。

元気だったら夜、友だちの公演のゲネプロを拝見しにいこうと思っていたのだけれど、明日までに考えたいこと準備したいことが結構あるので、行かずに帰宅。

昨日持っていった山崎哲「子供の領分」の台詞は長すぎたし、今日の森茉莉翻訳の「マドゥモアゼル・ルウルウ」はどうも目的に適っていないように思うので、明日はどうしようかと考え、東京デスロック公演を見たことのある、三好十郎「その人を知らず」(前に、間違えて、「この人を見よ」と言ってしまった)の治子の台詞を選ぶ。


12/10/2013(火)

雨。きのうと同じ道を行けば良いものを、勘で適当に歩いて逆方向に進んでしまう。早めに家を出たのでなんとか間に合ったけれども。

きょうの池内WSでは、台本の読み方のエクササイズが新鮮だった。「、」や「。」や「!」や「?」や、とにかくすべてのパンクチュエーションを具体的に身体でやりながら読む。私は普段「作家が台本を書くときの句読点と、演者が声に出して喋るときの間は、必ずしも一致しない」と思っているので、これは喋るリズムにあわないなと思うと句読点があっても間を置かない。でも今日このエクササイズをやってみて、もしかしたらもうちょっと時間をかけて台本の意味や意図を考えてみたほうがいいのかもしれないと思った。判断を急ぎすぎていたかもしれない。

夜は、学校。きょうは、本物のディレクターと声優さんが教室に来てアフレコの様子を見せてくださるという、節目的、ハイライト的な内容。日本の吹替業界はこの5年で大きくかわった、TV局が吹替制作していたときには「原文を離れても面白く」とか「声をあてる有名人に合わせた台詞まわしで」というようなこともあったが映画会社がクライアントになった今は意訳部分はバックトランスレーションして本社のOKを取らなくてはいけないくらいシビア、というようなお話をうかがう。

私たち受講生が翻訳した台本に対するディレクター、声優各氏の指摘や質問から学ぶ部分も大きかった。そして、声優さんってすごいなぁと思ったのは、1人のかたが少年とお母さんの2役をあてたんだけど、声も喋り方もぜんぜんちがくて、目の前で見てなかったら同じ人がやってるとは思えなかったこと。それで後でお話しさせていただいたら、地は地でまたぜんぜんちがうのね。すごいや。


12/09/2013(月)

今週は、ワークショップ三昧です。きょうから5日間は、池内美奈子さんのワークショップ、題して「プロの俳優のための、ステップアップ集中講座〜あなたは10年後も演劇続けていますか?〜」。

予想通り、二十代の若い人がほとんど。参加者同士の自己紹介のないワークショップなこともあり、休憩になっても話しかけるきっかけがなかなかない。何してる人なんだろう、何しに来てるんだろうって思われてるよねきっと。ま、仲良くなるために来てるわけではないので良いんですが。

とにかく、身体を動かしてみる。声を出してみる。シンプルで具体的なルールに還元して、意識的に。ということだと思いました。くたくた。


12/08/2013(日)

TVで「クリミナルマインド」を見ていたら、アントン・イェルチン(新しいスタートレック映画でチェコフをやっている人)が天才高校生役で出てた。リードが描いた似顔絵が傑作だったわ。


12/07/2013(土)

シアターΧにて、中村恩恵 岡登志子 「白い夜」。きょうの私はなんだかとにかく中村恩恵さんの動きと表情にひきよせられて、目を離すことができなかった。ブランコに、乗るんじゃなくてゆれをとめるところとか、いちいちきゅんとしてしまう。ただ「好き」ということなのかもしれない。それにしてもどこから来るんだろうこの好きな気持ちは。

夜は、あうるすぽっとで「NORA」。終演後にどなたかもおっしゃってたけれど「川口隆夫劇場」と言いたいくらい川口隆夫さんがフィーチャーされていて、私はミーハーなファンなのでそれだけでも満足なところに、これでもかと全体の構成やらダンスやら仕掛けやらの見事な技を見せられて、大満足。


12/06/2013(金)

締切2時間前に課題提出。締切ってホントありがたいと思う。締切がなかったら仕事が終わらないよ。

そして久しぶりの森川クラス。前回筋肉痛以外に結構打撲的にあちこち痛くなったので、前からいる人たちに聞いてみたところ、最初はやっぱりDVかってくらいあざになったりしたとのこと。でも打撲になるのはちゃんと身体をコントロールできてなくてどんっと落ちるからだから、そうならないように、筋力や調整力をつけていかないとなー。

来週のワークショップへの参加の可否の連絡が、きょうやっと来て、ほっとする。


12/05/2013(木)

学校の課題が、いつもは月曜締切なのが今回は金曜締切なので、やっている。10月に講座が始まって一番最初に翻訳した部分を「ブラッシュアップして提出する」という課題。以前の自分の原稿を見直したら、長さとか、ブレスの位置とか、ずいぶんいい加減なことをやってたことがわかる。そのときはそのときで真剣にやってたわけだから、この2カ月ちょっとの間の吹替翻訳の勉強が、少しは身についたってことかなと思う。

もともとドラマや映画は字幕で見る派でもあり吹替翻訳にはまったく興味がなかったんだけれど、やってみたらけっこう自分に合っている気がした。話し言葉である、ということが大きいと思う。俳優や翻訳者として、戯曲の言葉のことをいつも考えているから、そことつながるように思う。


12/04/2013(水)

たぶん、一日、いえにいた。


12/03/2013(火)

歯医者さん。ミューズリーを食べると歯の間に挟まる、と言ったら、フロスをすすめられた。使い捨てじゃなく、糸が切れるまで何度でも使えるのがあるんだって。

一旦帰宅し、夜は学校。「Oh, God, help!」という台詞のGodを神様と訳すかどうかという話に、はっとする。主人公と神の関係ってこの映画の最初のほうから何度か描かれているのに、慣用句的なものと決めつけて私は訳出しなかった。最終的に訳さないにしても、どうするか考えるべきだったと思う。こういうところに「ひっかかる」ような、丁寧な翻訳者でありたい。

あと「へー」と思ったこと。「からだは「体」と書いたほうが良いとのこと。「身体」と書くと「しんたい」と読まれる可能性があるから。なるほどと思う反面、私の感覚としては「身体」と書いて「からだ」と読むのがしっくりくる。その感覚がどこから来てるのかはわからないけれど。

最近、映画美学校から代々木八幡駅まで歩いて通っている。きょうは思い立って、代々木上原駅まで歩いてみた。途中、ケータイの地図を見ているのに90度まちがった方向に進んでいて戻ったりしたけれど、なんとかたどり着く。でも、さすがにこれは遠いね。


12/02/2013(月)

前回「揚げたてポテトチップスの食べられる店」と「おいしいピザの店」のどちらに行こうかってなり、じゃぁポテトって行ってみたら閉まっていてその日は別のおいしい店に行った――という会の、第2回で、きょうこそ揚げたてポテトチップの店に行こうと集まったら、今日も閉まっていて、別のおいしい居酒屋に行った。

友だちが、アドベントカレンダーをくれた。自分で日付シールを貼るタイプ。家に帰ってさっそく小窓ごとにシールを貼って、「1」と「2」の窓をあけて中のチョコレートをいただく。楽しい。いつか手作りしてみたいんだよなアドベントカレンダー。


1201//2013(日)

深田晃司監督の「ほとりの朔子」が第17回タリン・ブラックナイト国際映画祭で最優秀監督賞を受賞したとの知らせが入る。自分が出演している作品をあんまりほめても客観性に欠けるかと思うんだけど、とにかく良い映画なので、受賞したことを本当に嬉しく思う。


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