喫煙者を救え!


●死の商人

依存性だけしかない、つまらない薬物が、なぜこれほどに出回っているのか。依存性薬物が出回る理由は一つしかあり得ない。他の依存性薬物と比べて考えればおわかりだろう、そう、これを商売にしているやつがいる、ということである。

薬物の持つ恐ろしい依存性を不当に隠し、中毒患者が量産されるのを看過し、その患者達に薬物を売りつけて生計を立てている連中がいる。他にシノギのないヤクザがやることならいざ知らず、独占企業が、役所の認可を受けて、そういう汚い商売を堂々とやっている。しかも「嗜好品」だと触れ回っている。全く腹が立つ話である。この怒りこそが、私がタバコをやめる決意をした直接の理由である。ところで、日本においてタバコ事業の許認可を行う役所はどこだかご存じだろうか。厚生省ではない。農林水産省でもない。なんと大蔵省である。おそらく歴史的な理由で大蔵省なのだとは思うが、今は省庁再編だ行政改革だと盛んに言われる時代なのだから、タバコ事業の許認可を大蔵省がやっているのというのは、どうも胡散臭い、ぐらいは言っても良かろう。

2001年以降、厚生省は厚生労働省に、大蔵省は財務省になった。タバコ事業の許認可は財務省に引き継がれている。(2001.3.10補足)

さてこの汚い商売は、様々な迷信に支えられている。その迷信とは以下のような ものである。

またまた断言してしまうが、これらは全て、嘘である。喫煙者でも非喫煙者でも、上記の迷信のうちのいくつかを信じている人は多かろう。そういう人達は、この汚い商売を助けるのに一役買っていることになる。上記の迷信は、「死の商人」が市場を確保するために流布しているプロパガンダである、と私は思う。上記の各文を、一つ一つ、もう一度じっくりと見て欲しい。どれも「タバコを売る」ための宣伝文句としてふさわしい。しかし、こんなものにだまされてはいけない。少なくともこれらは全て嘘であり、おそらくは宣伝用に流布されたデマである。まぁ流布されたデマであるかどうかはともかくとして、少なくとも嘘である。それだけは間違いない。タバコを18年間吸い、そしてやめた私が言うのだから、どうか信じて欲しい。

「あなたと私は違う、私は禁煙したときに強い禁断症状が出た」「以前禁煙しようとした時、吸いたい気持ちがいつまでも無くならず失敗した」といった反論をされる方もいるだろう。それも理解できる。仕方のないことである。だって、あなたは完全にだまされ、迷信を信じ切ってしまっているのだから。迷信を信じ切ってタバコを吸えば、気分が落ち着いたような気になるのである。タバコをやめられないと信じ切っていれば、絶対にやめられないのである。信じ切っている人にとっては、危機にあっては神風が吹くし、ネックレスをしているだけで病気が治るし、壺を持っているだけで幸運がやってくるし、存在しない禁断症状だって感じるのである。あなたは迷信を信じ込まされている。あなたはマインドコントロールされている、という言い方をしても良い。

実は私は5年前に一度、禁煙にチャレンジしたことがある。その時は強い禁断症状を自覚し、「吸いたい」気持がなかなか消えず、二週間で禁煙を断念してしまった。その時の私は、まだ迷信を信じていた、つまり、マインドコントロールが解けていない状態で禁煙しようとしたから失敗したのである。タバコをやめる前にあらかじめマインドコントロールを解くことさえできていれば、タバコは確実にやめることができるのである。今の私のように。


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岩城 保
iwaki@letre.co.jp