喫煙者を救え!


●喫煙者の皆さんへ

あなたはタバコをやめたいですか?

ある統計によると、喫煙者の大部分は過去にタバコをやめようと試みたことがあり、また喫煙者の過半数は今現在タバコをやめたいと思っているそうです。タバコをやめるのは、もちろん酒やコーヒーをやめるほど簡単ではありません。しかし、世間で言われているほど難しくもありません。前述の通り、喫煙習慣は二つのことが原因となっています。一つは「ニコチン中毒」、もう一つは「心理的な癖」です。前者は、2〜3週間タバコを断てば完治します。しかし後者は、正しく治療しないといつまでも残ります。禁煙しようとして失敗するのは、大抵の場合、この「癖」の治療が不十分なためです。自分の癖を排除するのにはコツがいります。癖を直すには、それが癖であるということを自覚すればよいのです。一度正しい自覚を持てれば、その後は癖に引きずられることは無くなります。そして二度とタバコを吸わない、という確かな自信を持つことができるようになります。

私はタバコを吸わない人間になりました。しかし、タバコを「吸えない」人間になったわけではありません。非喫煙者は、タバコの煙を吸い込めば、むせたり、せき込んだりするでしょう。しかし、私は非喫煙者ではなく、元喫煙者です。ですから今でもおそらく、喫煙者と同様に上手にタバコを吸うことができると思います。でも、私はもはや、全然タバコを吸いたくなりませんし、試しに吸ってみようとも思いません。タバコを上手に吸えたからって、何の得にもならないし、全く無意味なことだからです

やめたい人にも、やめたくない人にも、私が言いたいことは一つだけです。

あなたの喫煙習慣は自分の意志ではありません。 ニコチンの依存性は、薬物の中でもトップクラスです。そんな強い薬物を、自分の意志で摂取している人はいません。あなたは中毒患者であり、薬害の被害者なのです。

しかし、この大スキャンダルとも言うべき薬害は、残念ながらその産業規模があまりに巨大であるため、行政もおいそれと手が出せない状況にあります。タバコによる税収もバカになりません。タバコ産業は、言うなれば国家公認のドラッグ事業です。これをいきなり根絶してしまったら、景気にも影響するでしょうし、失業者も多く出ることでしょう。しかし、世界の麻薬産業がだんだんと規模縮小しているように、いつか、タバコ産業も、地球上からなくなるべきものであると私は思います。こんな産業が許されて良いはずはありません。

あなたがたのような病人の弱みにつけこむ、こんなあくどい商売を、絶対に認めるわけにはいかない、私はそう思います。


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岩城 保
iwaki@letre.co.jp