つれづれなる日々

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2008年8月の日々

怪談を語る


08/31/2008(日)

9時〜11時『東京ノート』稽古。新しい靴を履いてみる。4cmくらいでも、ヒールがあると景色がかわるね。

その後友だちとワタリウム美術館にファブリス・イベール「たねを育てる展」を見に行った。内容とか何も知らないで行ったんだけど、美術館っていいな、もっとたびたび美術館を訪れたいなと思った。

でも、「たねを育てる展」自体は、実はあんまり好みとは言えなかった。「こういうことを考えた」というイメージスケッチが壁面にたくさんたくさん貼ってあるのがいちばんステキな展示だった。野菜で作った人間は、足のセロリが黄色くひからびて、腰周りのバナナには小バエが飛んでいた。風が吹き抜ける草の道、のはずのものは、草はカサカサと乾き、土はなにかいやなにおいがしていた。カゴに入れられたハエや、囲いの中のミミズ(姿は見えなかった)、ミツバチは、ここにこうやって展示されて幸せなんだろうか。この作者が興味があるのはアイデアやコンセプトで、それを表現する具体的な方法やそれがうまくいったかどうかにはあまり関心がないのかもしれない、そんな感想を持った。数カ月という長い会期の最終日だったということも関係がなくはないと思うけれど、短い期間で変化する生き物、なまものを使うなら、何をどういう状態で見せたいのか、最後までキッチリ管理してほしかった。それともそういう変化自体を見せたかったのか? でも私には、「これを何カ月かのあいだここに置いておいたらどうなるのか」という想像力がない、あるいはそれに興味がない、というふうに受け取れた。

以前、東京都現代美術館でだったと思うけれど、透明な容器の中で緑の藻だったかなんだったかを繁殖させるという作品があって、展示期間が終わったらこの藻はどうなるんだろう?捨てられてしまうんだろうか?となんだか釈然としないような気持ちになったことがある。そんなことを思い出した。

夜は、いえで1人でご飯食べて飲んで飲みすぎ。ひどく。


08/30/2008(土)

夕方から、8月生まれの誕生日祝いをかねた暑気払いの会。メキシコ料理の店で、大いに飲み大いに食べる。


08/29/2008(金)

京都の友人のところに泊めてもらって、きょうは観光もせず『東京ノート』の衣裳の買い物に付き合ってもらう。ちょうど思い描いていたような、ピンクの、エナメルと普通の革のコンビのパンプスが見つかったが、それにあうバッグにはどうしても行きあわなかった。でも、ラムネ1本を2人で分け合って豆乳ドーナツを食べたり、ステキなベレーに心ひかれてかぶってみたり、眺めのいい喫茶店でお茶したり、楽しい1日だった。

帰りの新幹線がまた雨でとまったりして一瞬ひやりとしたけれど、30分遅れくらいで無事新横浜着。


08/28/2008(木)

朝9時から『東京ノート』。13時までの予定だったのが、11時には終了してしまう。14:02品川発で新幹線をとっちゃってあって時間があまっちゃったので、東大カフェで時間をつぶす。わりとめずらしい組み合わせの4人で、ポニョの話とかした。

それで品川に行って、駅の売店で本など買って長旅の準備万端整えてホームに行ったら、雨で新幹線は運転を見合わせるとのアナウンス。え?いま?ここで? 列車の旅に不慣れなわけではないんだけど、今回は「ぷらっとこだま」という格安プランで変更が一切きかないということがあり、ゆうべ眠れなかった睡眠不足もあって、一挙に思考停止的パニック。一人ではどうにもならないと思ったのか、mixiの日記に現状を書き込む。その後10分遅れで運転再開したものの三島で再び1時間ほどとまってしまったりして、気がもめたけれど、日記のコメントでなんとなく友だちとつながっている感じがあって、それで心が落ち着いていられたように思う。とはいえ、新幹線の中で寝ていくつもりだったのに、運転状況がこんなふうに先の読めない感じになっちゃって、ゆっくり眠っていられなくて、せっかく大阪までいいむろなおきマイムカンパニーの公演『フォロー・ジ・アローズ〜矢印の方へ〜』を見にいったのに客席で意識が途切れがちになってしまったのはなんとも悔しかった。

いいむろさんの上半身がでろでろでろ〜と溶けてくずれた後にブラックライトに照らされた手袋で白くくっきりと輪郭が残るところがすごくきれいだった。箱の中であばれる何者かを押さえ込もうとしてるところが見事だった。みんながわけのわからないコトバでむきになってしゃべるところが悪夢のようで面白かった。すみません、こんな断片的な感想しかありません。個人的な好みとしては、前回拝見した『contact』の具体的で日常的な描写のほうが、今回のような抽象度の高い、というか既存の「マイム」感の強い(というふうな印象を私は持ちました)作品よりも、現時点では、好きです。もっとマイムを見たらまたちがうふうに感じるのかもしれないけれど。とはいえ、2年ぶりでいいむろなおきさんを見ることができて、それはホントによかったです。10月の東京公演が見られないのが本当に残念。また東京でワークショップがあるといいなぁ。


08/27/2008(水)

夕方春風舎へ、『ヤルタ会談』の衣裳のことをしにいく。公演のときって、何日が劇場入りとか仕込みは何日と決まっていてその日に一気に装置の建て込みやら楽屋のことやらなにやらかにやらやることが多いんだけれど、今回は、きょうから本番までのあいだに、舞台装置は舞台装置、照明は照明、字幕は字幕(英語の字幕を出します)というように部署ごとに都合のいいときに来てそれぞれ仕込んでいくことになっている。きょうの私は、装置の一部である布製のものとか衣裳とかに、アイロンをかけに行った次第。途中で装置仕込みの人たちもやってきて、さくさくと仕込みをしていった。私は3時間以上立ちっぱなしでアイロンかけ。初演の頃に比べると、さすがにアイロンかけうまくなったと思う。スーツの袖山のとことか、前はじょうずにできなかった。

公演のご案内を、ケータイで知り合いに送り始める。


08/26/2008(火)

朝から、『ヤルタ会談』の、いまアゴラに置いてる荷物を劇場に持っていくため車に積み込む。衣裳と小道具でスーツケース1つ、クリアケース2つ、その他に折りたたみのテーブルと椅子、丸めたカーペットなど。

夕方の稽古まで時間があいたので、稽古場で「ユリイカ」のフェルメール特集を読みながら仮眠。2時過ぎに起きて、東大カフェでアイスティーとシュークリーム。遠くの友への手紙を書く。

で『東京ノート』稽古。終了して、『ソウル市民』英訳関係のミーティング。


08/25/2008(月)

『サンタクロース会議』の自主稽古を見せてもらった。まだ前半だけだったけど、いろんな楽しいことがいっぱいつまっていた。12月の公演がものすごく楽しみだ。

その後、『ヤルタ会談』。自主稽古をしてから、演出家のいる稽古。前の稽古(と公演)は2006年の9月だったから、だいぶ久しぶり。きょうはいろいろと忙しい日で1時間しか見てもらえなかったけど、冒頭から2場の前半までできた。ここにきてまた新しい演出がついたりして、やっぱり1つの作品を長くやるのは面白いなぁと、あらためて思った。


08/24/2008(日)

きのうから急に涼しくなって、久しぶりにジーンズはいたりソックスはいたり重ね着したりしてる。

『東京ノート』の稽古があり、アゴラに行く。3場の、家族がだんだん戻ってきて学芸員の話を聞くところは、登場人数が多くて、なかなか人がそろわなくて稽古できないシーンだ。きょうじっくり稽古できてよかった。

その後、渋谷のデパートに靴とバッグのバーゲンを見にいこうか(『東京ノート』の衣裳・小道具です)と思ったんだけれど、雨は降ってるし、なんだかだらだらだらだらしてしまって、結局デパートには行かなかった。そして友とご飯を食べた。友だちっていいなと思いました。


08/23/2008(土)

イデビアン、見にいくならきょうのマチネしかなかったんだけど、来週ちょっと遠出する用事もあって物入りのため、今回は断念。

友と映画『セックス・アンド・ザ・シティ』を見にいった。TVシリーズがわりと好きで(ケーブルでときどき見てる)、映画のタダ券に応募したら当たったので。

待ち合わせに失敗して少女漫画の恋人たちみたいなすれちがいを演じたり、行こうと思った映画館が満席で急遽別の上映館を探したり、小雨の中ファストフード店を探してうろついたり、映画を見る前からイベントフルで、気持ちが高揚。きゃいきゃい言いながら映画館に入る。

友だちはTVドラマのほうをぜんぜん見たことがないというので、いきなり映画見てわかるかちょっと心配だったけれど、前半でTVシリーズのおさらいをしてくれるので初めての人でも話がわからないということはないようだった。衣裳や小物があいかわらずおしゃれで楽しめた。ストーリー展開もベタといえばベタ(だからいろんな人がいろんなところに共感できる、とも言えると思う)なんだけど、張った伏線には全部決着つけてってるし、うまいなぁと思った。登場人物で好きだったのは、キャリーのアシスタントの女の子(いい役だしいい演技だと思った)と、意外だけどサマンサ。TVシリーズではちょっと過激すぎてついていけないと思うエピソードが多かったけれど、この映画でのサマンサの自分に正直な行動にはシビレました。いまの彼氏が「病気のときに支えてくれた」というような字幕があったけれど、台詞では「キモ」(化学療法)と言っていたので、サマンサが癌だったということがわかる字幕だったらもっとよかったなーと、それだけちょっと残念に思った。

友も面白かったと言ってくれたので、誘った身としてはほっとした。友がシメイの生ビールをおごってくれた。


08/22/2008(金)

『東京ノート』自主稽古。の後、サンプルの公演『家族の肖像』を見にアトリエヘリコプターへ。待ち合わせまで少し時間があったので、近くのタリーズで『森の奥』の台本を読みながら、コーヒー。

『家族の肖像』は、いままで見た松井周の作・演出作品(『通過』『地下室』『シフト』『カロリーの消費』『家族の肖像』)の中で一番好きだった。

友からのメールで、この週末イデビアン・クルーが公演中ということを知る。うわー、すごく見たいんだけど、どうしよう。


08/21/2008(木)

ポケット英辞郎で単語の問題を解きながら、つまりケータイを手に持ったまま、眠ってしまったり。きょうは出掛ける用事がない日だったので、ホントに1歩も家を出ず。たまにはこうやってゆるゆる過ごしたい。


08/20/2008(水)

ケータイで見られるポケット英辞郎てのがあることを数日前に知って、使ってみてる。ケータイで英辞郎が使えるのは便利だし、英語の勉強をできるコンテンツもあるし、簡単な韓国語辞典なんかもついてる。まだ無料お試し中だけど、これ、いいかも。

夕方から、『東京ノート』稽古。


08/19/2008(火)

最近また本を読むようになってきた気がする。理由はたぶん、今まで常時コンタクトだったのを、最近わりとメガネで過ごしているからだと思う。次にコンタクトを買うときに度を調整してもらうつもりだけど、いまのは「過矯正」になってるそうで、近くの文字がよく見えなくて、日中電車で移動中とか開演前の客席でとか、本を読むのがものすごく困難だったの。ま、読書はだいたい寝転んでするからライトが反射してメガネもすぐはずしちゃうんだけど、コンタクトに比べて着脱が簡単というのも、メガネのいいとこよね。

午後、『東京ノート』自主稽古。きのうに引き続き、家族のところ。きのうに引き続き、スーパー代役さんに、いない人たちの役をやってもらう。1人4役の名演技! 堪能! 感謝!

夜は、スズナリに、庭劇団ペニノ『星影のJr.』を見にいく。私は、暴力描写がダメだし、気持ち悪いのやあんまりエロいのも苦手(サンプルでギリギリOKというくらい)だ。この作品について、「生理的にたえられない」的な感想をいくつか見たので、「これ、私が見て大丈夫かなぁ。今回やめとこうかしら」と思い、すでに見た友人に、どうでしょうかと相談してみたら、たぶんギリギリ大丈夫ではないかとのことで、それならオモイキッテ見にいこう、でも前方のベンチ席はコワイから椅子席で、と、ものすごく先入観を持って、用心して、見にいったんだけど、それがよかったのか悪かったのか、生理的にダメというものは、私は、まったくなかった。お父さんと犬が特に好き。暗い前景の向こうに明るい世界が見える、という、私の好きな構図(そういうふうな配置の絵や写真が好きなんです)のセットと照明だったのも、すっとその世界に入っていきやすかった理由の1つかもしれない。とにかく、知らない人の感想を気にしすぎてこれを見にいかなかったとしたらきっと後悔したと思うので、相談にのってくれた友に感謝するとともに、これからはこういうことでふらふら迷わないでもっとしっかりしようと思いました。


08/18/2008(月)

背中の下半分と太ももの後ろ側が、筋肉痛。コルセットはめてるみたいに動きづらい。

昼まで寝ていて、ご飯を食べに行って帰ってきてまた寝て、夜の『東京ノート』自主稽古に間に合うように起きる。生活時間帯がメチャクチャです。自主稽古は、家族のところ。事務所にいた人に代役で入ってもらって、大人数のシーンもやれて、よかった。

友と夫と、小一時間飲んで帰る。


08/17/2008(日)

『森の奥』の台詞を言う練習を、いえでする。5/7くらいまで読んで、眠ってしまう。ま、ベッドに寝転がりながらやってるからなんだけど。

そしてきょうは、こぢんまりしたダンスワークショップの第2回(前回は7月27日)。先生が30分くらい遅れるとのことで、1人でストレッチやら発声練習やらしながら待つ。いや、ダンスに発声は必要ないんだけど、『ヤルタ会談』とか『森の奥』とか演劇の本番が近いからね、自主練、自主練。

前回は4人だったけど、きょうはマキ先生と私の2人だけ。「何をやりたい?」と聞かれ、「こないだは即興で踊って楽しかったけど、元の振付を覚えきれてないままやるから振りがどんどん雰囲気だけになっちゃった」と言うと、「じゃぁ、振付やろうか」。マキが振付を考えて、動いてみて、教えてくれる。それを、カウントでやって、音楽かけてやって、またその続きを作って。きょうは涼しいなぁとか思っていたけど、動き出すと汗がどんどん出た。最終的には1曲(3分弱)分振り付けして、2人で踊った。楽しかったし、達成感があって気持ちよかった。マキ先生ありがとう!


08/16/2008(土)

『ヤルタ会談』自主稽古。春風舎での9月の公演では英語字幕を出すので、字幕オペ担当の人も稽古場に。途中で何回かとまりながら、2回通し稽古をする。やりながら、台詞を確認したい慎重モードとか、ノリノリ、苦手部分でちょっと力が入った感じ、というふうに自分のモードが行ったり来たり行ったり来たりして変わっていくのがわかる。行ったり来たり行ったり来たりしながら、全体のペース配分的なことの感覚が、だいぶ身体に戻ってきた気がする。

帰宅して、今後稽古のときとかにお弁当持っていけるように、ロールキャベツを作って、冷凍。カレーも作って、これは夕飯に食べて、余った分はこれも冷凍。

夕食後読書しながら眠ってしまって、見た夢は、壁にあいた直径5センチほどの穴(ビニールが貼ってある)をのぞくとその裏に熊やらなにやら猛獣が数頭住まっていて、あぁこないだ寝てるときに聞こえていた鼻息のようなものはこれだったのか、いままで襲われなくてラッキーだった、早く逃げないと、と外に避難して救急車の到着を待っているとサイレンが聞こえてきて、やれやれこれで一安心だけど壁の裏に熊がいるとかどうやって信じてもらえばいいんだろうと悩む、という夢。夢でよかったよ。


08/15/2008(金)

だらだら過ごす。とにかく眠い。

そして夕方から、『森の奥』リーディングBチームの稽古を見学しに春風舎へ。なるほど、客席からこういうふうに見えるのか。


08/14/2008(木)

午後の新幹線で戻る。といっても、帰宅せず、稽古のため春風舎に直行。リーディングの稽古、3日め(最終日)。本番までまだ半月以上あるこの時期に何をみんなで作っておくべきか、何は個人個人にまかせておいていいか。そういうの考えに入れておかないとむずかしいよねこういうのは。面白いものができてきている感じはあるんだけど、ぜひ一度演出家や観客の側から見てみたい。と思ったら、あす別チームの稽古があるというので、見せてもらうことにした。


08/13/2008(水)

帰省。といっても1泊のみ。今年の夏は暑くて暑くて、でも長野に行けばきっとこのべたべたの暑さからほんの一時でも解放されるという希望に支えられていたんだけど、長野も暑い。実家で夜、クーラーかけて眠ることになるとは思わなかった。地球温暖化なのか私の記憶が美化(?)されてるだけなのか。

高校生のときに描いたスケッチだとか、小6のときの通知表だとかを、見る。絵は、いまとあまり画風がかわっていなくて、驚いた。通知表は、単純作業的なことをやりたがらなくて、そのへん指導しようとしたけどまだ直ってない、みたいなことが、所見欄に書かれていた。計算問題とかかな。


08/12/2008(火)

午後、『森の奥』リーディングの稽古。きのう病欠だった2人が来て、6人の出演者がそろった。だいたいの形が決まった。私は、力まないで台詞を言おうとして力が抜けすぎたり、意識の速度としゃべる速度がうまく合わなかったりして、台詞がうまく言えないところがあった。自主練しよう。

山岸涼子『テレプシコーラ』第1部全10巻借りてきて、夜中に読み始めたら案の定途中でやめられなくなって、最後まで読んでしまった。1〜3巻、7〜9巻は以前別の友から借りて読んでいたし、10巻の一部は連載時に偶然読んでいたんだけど、やっと全体像がつかめたよ。金子先生は前から好きなキャラだったけど、どんな歴史を背負っていまの穏やかで前向きで包容力のある金子先生になったのかということがよくわかって、前より好きになった。


08/11/2008(月)

夜、『森の奥』のリーディングの稽古。出はけをどうするのか、ト書きをどうするのか。動作は? 小道具は? いろいろなことをクリアにしながら、1回通して読むと、あっというまに稽古時間終了。稽古はあと2回。どんな形になっていくのだろう。乞うご期待。


08/10/2008(日)

フェイスパウダーの蓋を閉めないで置いておいて、机の上で探し物をしてて、床に落としてしまった。きのうも落としたので2日連続。高いのに。ちょっと落ち込む。つか、ちょっとしか落ち込まないから繰り返し落とすんじゃないだろか。反省しなさい!

珍しいキノコ舞踊団『珍しいキノコ大図鑑』を見に銀座へ。開演前から何かいろいろあって楽しいらしいので早めに行くつもりだったのに、なんやらかんやら手間取って、普通に開演20分前くらいに到着。このカンパニーの公演を見るのは2度め。前回は、昨年7月の『あなたの寝顔をなでてみる。』。チケットを取るのが遅かったので、22列めという後方の席で、最初ちょっとがっかりしたんだけど、ぜんぜん遠すぎなくて、全体がよく見えて、むしろいい席だった。演劇(にもいろいろありますが)とダンス(にもいろいろあるんでしょうけれど)で、「届く」距離がずいぶん違うんだなぁということにビックリした。ちゃきちゃき動いたりぴたっととまったりふにゃふにゃやわらかくなったり、動きで身体の質感がかわっていく。見ていて本当に面白かった。2人が一体になったり離れたり、そういう変化も、私はすごく好きだった。見ていてどんどん楽しい気分になった。

すごく楽しかったのに、驚いたことに終演後はうちのめされた気分でなんかわーっとなっちゃって、しばらくその辺をあてどなく歩いちゃった。スゴいダンス見て圧倒されてって、ダンサーでもないのにおこがましいんだけど、パフォーミングアーツをやるほうか見るほうかっていうとやるほうの人間ではあるわけで、だから、スゴくてくやしい、私もああいうのやりたい、というような気持ちになったんだと思う。

家に帰る頃にはそれでも楽しい公演の穏やかな思い出が戻ってきて、スーパーのBGMにあわせて身体が動いちゃったりしたよ。


08/09/2008(土)

『東京ノート』自主稽古。きょうだい3人のシーンを練習。

ゆうべ友のウェブの日記でいま珍しいキノコ舞踊団の公演をやっていることを知り、きょう別の友からもそんな話を聞き、行きたいは行きたいけど大きな劇場だしなぁとか、お金もないしなぁとか、少し悩んで、でもやっぱり行くことにしてチケットをとった。

そんなこんなのあと、食事して、それからサンプルの稽古見学に行ったら、ちょうど今から1時間休憩とのこと。なんて間の悪い。でも稽古場でご飯を食べる人たちと演劇の話などして、1時間後に再開した稽古を30分くらい見せてもらった。

そしてアゴラで田上パル『そうやって云々頷いていろ』観劇。田上パルは過去に、『報われません、勝つまでは』(再演)、『師走やぶれかぶれ』を見ています。今回もアクションシーンがよかった。


08/08/2008(金)

『こまばアゴラ劇場 国際演劇月間 -キスは何回?-』のミーティング。それぞれ異なるいろんな経験や知識やノウハウや情報を持った人たちが集まって、問題点を洗い出したり、情報を共有したり。私はいまのところあまり実務に関わっていなくて、中心的に動いている人たちの大変さもよくわかっていないと思うけれど、アゴラ劇場ではじめての国際演劇祭って、ものすごくわくわくする。少しでも力になりたい。

ミーティングの後、友と東大カフェで小一時間お茶。夏休みでも人が多いね。

帰宅して、きのうに引き続きクィーンのカラオケのDVDで遊ぶ。というかWe are the Championsを練習。画面上の歌詞の色が変わるのを見てるよりか音を聞いてたほうがタイミングを外さない、ということに、途中で気づく。リズム感がないから、なかなかむずかしい。あと、2番のアタマで音程がなかなかとれない。フレディーのボーカルをオンにしたりオフにしたりオンにしたりオフにしたりして、相当しつこく練習した。でもこの曲もWe Will Rock Youも、最後のとこがなんかへろへろーっとフェイドアウトするようにして終わっちゃうからカラオケでは歌いにくいよね。フレディーなみのカリスマ性があればいいんだろうけどさ。


08/07/2008(木)

小田急線の上りの快速急行に乗ったらば、新百合ヶ丘に着く直前に、たぶん駅名アナウンスがまずあってその次に言ったんだと思うけど、
「この列車の止まらない駅でお降りのお客様はお乗り換えです」
というアナウンスがあって、私は、思わず、小声で「あたりまえだ」とつっこんでしまいました。快速急行は新百合ヶ丘の次は下北沢だから、それより前の駅で降りる人はまちがって下北沢まで行かないように気をつけてね、ということを言いたいんだという気持ちはわかるけれどさ。どの駅には止まらないのか、または次に止まるのはどの駅なのか言わなかったら、なんだかわけがわからないよね?

そんな小田急線に乗って出掛けた先は、山の手事情社の10月公演『YAMANOTE ROMEO and JULIET』の中間発表会。最終的には『ロミオとジュリエット』を3つの違った観点から描くといった公演になるようで、きょうはそのうちの2種類の発表だった。これがこれからどう変わっていくんだろう。本番は私はヨーロッパツアー中で見れないので、非常に残念。

帰りにサンプルの稽古場におじゃまする。きょうは昼間タタキで、夜は衣裳合わせで、稽古はあんまりないかもと聞いてはいたんだけど、ちょっとみんなの顔見にいこうと思って寄ってみた。なつかしい人や初めましての人や最近知り合った人やに会って、なんとなく1時間くらいいて、帰宅。

夜中、クィーンのカラオケのDVDに「キラークィーン」が入っていないことに初めて気づき、愕然とする。なんでよ!?


08/06/2008(水)

『ヤルタ会談』自主稽古。2年ぶりの公演なので、置き道具(カーペット、イス、テーブル)や小道具(ポットやカップやお菓子類)、衣裳などの点検もする。

稽古自体は、前回台詞の確認をやっといたこともあり、割と順調に進む。にぎやかな声を聞きつけてか、階下の事務所にいた青年団員が何人か見にきた。私は1つ段取りを忘れていて、見ていた友が「ねぇねぇ、『痛いっ』っていうの、あったよね?」と教えてくれた。その人は『忠臣蔵・OL編』の出演者で、ヤルタとOLは2本立てでずいぶんやったから、もう耳で台詞を覚えているらしい。助かったよ、ありがとう。

とめながら2回通して、次回の稽古予定を決めて、解散。けっこう大きな声を出すから発声練習ちゃんとするようにしよう、というのがきょうの私の反省。声つぶしたらかっこ悪いし、いろんなことができなくなっちゃうよ。

帰宅して、ホワイトシチューのようなものを少量作ってご飯にかけて食べる。汁かけ飯的なものって、好きだ。シメイビールを買って帰ったので、飲む。アメリカのTVとか見てると、ビールは瓶から直で飲んでるけど、炭酸の入った飲み物はグラスで飲んだほうがおいしいと思うな。とか言いながら私も缶ビールは普段缶から飲んじゃうんだけど、きょうはグラスに注いでみたら、やっぱりぜんぜんちがうのね。グラス、いいね。


08/05/2008(火)

暑さと、冷房の寒さで、ばてばてです。

『東京ノート』の稽古に行ったら、いない人が多くて、できるシーンが少なくて、いきなりラストシーンの稽古から始まった。別にラストシーンからでもどこからでもやれるけどね。間を、何カ所か直された。稽古の後、秋のヨーロッパツアーのミーティング。


08/04/2008(月)

夕方から『東京ノート』自主稽古。行きの電車で、『ヤルタ会談』の台本を広げる。流れとか段取りとか、だんだん思い出してきた。思い出すっていうか、冷凍保存されてたものが解凍されて元の状態に戻っていくみたいな感じ。

『東京ノート』は、家族の部分を自主稽古。今後の自主稽古の予定なども決めて、2時間ほどで終了。


08/03/2008(日)

昼頃起きて、ご飯作って食べて、返信しなきゃいけないメールに返信して、TVでNCISを見たりしてたら、もう出掛ける時間で。夕方っぽくなってきた光の中、アトリエヘリコプターに向かう。きょうはお客さんが多いということで客席を増設。と並行して打ち上げの準備。出掛ける前あたふたしててすっぴんで来たので、楽屋でメイクする。

そしてきょうも7時半開演で五反田怪団。どういう順番でだれがなんの話をするのかは決まっているわけだけど、それをつないでいく司郎くんのMC部分は、お客さんの様子や話のディテール、速度やなんかに反応して少しずつかわる。その瞬間瞬間の判断っぷりに舌を巻く。出演者が感心して見てていいのかという問題はあるんだけど、演じながら感心してるんだからいいんじゃないかなと思います。

私は前半で大学教授の話をするんだけど、稽古のとき何度か、シリアスじゃなきゃダメなときに「顔が笑ってるよ」と注意された。主観的には怖がってるんだけど顔が笑い顔になるらしい。で、笑い顔にならないように、明るい顔にならないようにというのが、テーマの1つだった。前にイタリア人演出家にも、悲しいときに笑い顔をしないようにって言われたなぁそういえば。

無事終了し、打ち上げ。手作りの美味しい料理が並ぶ。ある人の波乱の10代、20代の話を夢中になって聞く。ビールのあとは、美味しい日本酒、日本酒くさい日本酒、まろやかな麦焼酎を飲む。左利きのこととか英語のこととか演劇のこととか話す。始発の時間になったので帰ろうとしたら、友だちが誕生祝いといってアクリルたわしをくれた。ありがとう!


08/02/2008(土)

朝10時から『東京ノート』稽古。きのう欠席だった人の出ているシーン。当たり前だけど、同じシーンでも俳優がかわると、雰囲気も、受け答えするこちらの出方も、かわるね。今回「家族」のうち2人が新メンバーになって、その人たちが、いままで客席で見ていた作品を今度は舞台上のいちばんいい席で見てるみたい、と言っていたのが面白かった。

で、稽古も早めに終わったし、遅れるかと思ったけど1時の集合に間に合うや、とアトリエ・ヘリコプターに行ったら、だれもいなくて、しばらくして制作の人が、きょうは4時集合だよ、と。あれ? まぁ、今朝早かったのでちょっと眠いし、楽屋でだらだらうとうと。3時過ぎに外に出て、近所でお茶飲んで、4時にアトリエに戻る。

私のとこを稽古。と並行して打ち上げの買い出しとか。稽古のあと、コンビニに買い物に行ったり。お菓子食べながらだらだらしたり。そして本番。そして打ち上げ。

きょうは私は誕生日で、家族や友だちからおめでとうって言ってもらって、嬉しい誕生日だった。


08/01/2008(金)

修学旅行の下見で東京に来ているというなつかしい人と、下北沢の一軒家のカフェでランチ。元気そうでなにより。

アゴラに移動して、まずは1時間ほど『東京ノート』の相手役と台詞あわせ。さすがに十年以上前からやっている作品の台詞は覚えているものだね。その後、稽古。冒頭から最後まで(欠席の人の部分はとばして)、出はけの段取りを決めながら、一通り。今回初めて『東京ノート』の座組みに入った人や、前と別の役になった人、同じ役だけど久しぶりに戻ってきた人など、いろいろだ。続投の人も、守りに入らず攻めの姿勢を見せている。

「明日と明後日、五反田怪団に出演します」と友人にメールでお知らせ。「日曜日は出演しないのね。残念」という返信をもらって、自分が送ったメールを見直してみたらば、「明日(8/2)、明後日(8/2)のみ出演します」と書いてあるではないですか! 明後日は8/2じゃなくて8/3だよ。うー、なんというタイポ。もう何十通と出しちゃったよ……。がっくりしました、でも明日も早いので、もう寝ます。


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